障害年金・福祉相談センター
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統合失調症は、障害年金の請求理由として多い傷病の一つです。しかし、「仕事をしているから受給できない」「長年通院しているが申請していない」といった理由で、制度を利用していない方も少なくありません。
障害年金は病名だけで判断されるものではなく、日常生活や社会生活にどの程度支障があるかが重要な判断基準となります。
今回は、統合失調症で障害年金を受給できた事例をご紹介しながら、認定のポイントについて解説します。
今回ご相談いただいた方は、30代の男性でした。
20代前半から幻聴や被害妄想などの症状が現れ、精神科を受診した結果、統合失調症と診断されました。一時は入院治療も受けましたが、退院後も症状は改善と悪化を繰り返していました。
服薬を継続しているものの、集中力の低下や意欲の減退が強く、対人関係にも大きな支障がありました。一般企業への就職を何度か試みましたが長続きせず、最終的には就労継続支援事業所を利用していました。
ご本人は「少し働いているから障害年金は難しいのではないか」と考え、これまで申請をためらっていました。
しかし、お話を詳しく伺うと、日常生活では家族から多くの援助を受けており、一人での金銭管理や通院管理も困難な状況でした。
障害年金では、「働いているかどうか」だけで受給の可否が決まるわけではありません。
就労の内容や職場でどの程度の配慮を受けているか、そして日常生活能力の状況が総合的に判断されます。
今回のケースでは、
・就労継続支援事業所での就労であること
・家族による日常生活上の支援が不可欠であること
・服薬を継続しても症状が安定しないこと
・対人関係や判断能力に大きな制限があること
などを診断書や病歴・就労状況等申立書へ具体的に反映しました。
また、医師へ現在の生活状況を丁寧にお伝えし、実態に沿った診断書を作成していただいたことも大きなポイントでした。
その結果、障害基礎年金2級として認定され、無事に受給することができました。
統合失調症は症状の波が大きく、「診察日だけでは実際の生活状況が医師へ十分伝わっていない」というケースが少なくありません。
そのため、申請では、
「家事はどこまでできるか」
「一人で外出できるか」
「服薬管理はできているか」
「他人とのコミュニケーションにどの程度支障があるか」
などを具体的に整理することが重要です。
診断書だけでなく、病歴・就労状況等申立書との内容に一貫性があることも、認定において非常に重要なポイントです。
また、就労している場合でも、短時間勤務であったり、特別な配慮を受けながら働いている場合には、受給できる可能性があります。
「働いているから無理」と自己判断せず、一度専門家へ相談することをおすすめします。
統合失調症による障害年金は、病名だけではなく、日常生活能力や社会生活への影響を総合的に評価して認定されます。
今回の事例でも、「働いている」という事実だけを見ると受給は難しいと思われがちでしたが、生活実態や職場での配慮、家族の支援状況などを丁寧に整理し、診断書へ適切に反映したことで受給につながりました。
障害年金は、症状が重い人だけの制度ではありません。現在の生活状況が認定基準に該当する場合には、受給できる可能性があります。
「自分も対象になるのだろうか」「以前不支給になったが再度請求できるだろうか」とお悩みの方は、一人で判断せず、障害年金に詳しい社会保険労務士へご相談ください。適切な資料の準備と申請を行うことで、受給につながる可能性が高まります。
社会福祉士 島津祥太

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